| 1 開会 事務局(岡田専門監)
2 挨拶
(尾高環境部長) 本日はお忙しい中ご参集頂き、ありがとうございます。
日頃から、本市環境行政に対し多大なるご理解ご協力を賜わり、深く感謝申し上げる。
先に本環境影響評価部会でご審議いただいた、北区滝沢町周辺においてふそう風力発電株式会社が計画している風力発電事業については、皆様に配布したとおり、環境影響評価書が完成し、本年2月末から風力発電所建設工事が開始される予定と聞いている。
ふそう風力発電株式会社による環境影響評価書については、委員の皆様の活発な議論のおかげをもって、猛禽類をはじめとした鳥類のバードストライク対策などに関し、初期の内容から大変な充実が図られ、環境影響の回避・低減に向けて一定の成果が得られたものと期待している。
もとより、環境影響については、工事中及び工事完了後において、実態を把握した上でなければ最終的な評価はできないことから、今後も、事業者からの定期的な報告を求めていくとともに、適切な指導をしたいと考えている。
さて、本日ご審議いただく内容は、本市で2案件目の風力発電事業となる、天竜区竜頭山周辺において電源開発株式会社が計画している風力発電所設置事業の環境影響評価報告書(案)についてである。
福田康夫首相が、1月26日の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の特別講演で強調したとおり、「気候変動は待ったなし」の瀬戸際の状況にあり、その解決に向け、風力発電は化石燃料を使用しない再生可能エネルギーとして期待されている。
しかし、風力発電所の建設、特に、先のふそう風力も含め、売電を目的とする大規模なものについては、本市ガイドラインの目的にも掲げているとおり、「環境と景観の保全及び住民生活への影響の観点」から、適切な環境影響評価がなされることが大前提であると考えている。
委員の皆様においては、多角的な観点から議論を展開していただき、本日の環境影響評価部会を有意義な会議としていただけるようお願い申し上げて、挨拶に代える。
(小杉山部会長) お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。
最近になって、風力発電が大きな脚光を浴びている。
風力発電というと、これまでは「環境保全のためにおそらく有効な働きをするのだろう」という取り扱いがほとんどで、いわばちやほやされるアイドルのような存在だった。
しかし、実用化に向けてそれなりの本数を建てていくのであれば、風力発電も、これまでのように単なるアイドルでは済まず、実力が問われていくことになる。
風力発電1基の出力2,000kWに対して、一般的な火力発電は1基で50万kW、原子力発電は100万kWの出力である。
簡単な割り算だが、火力発電1基相当の電力を風力発電でまかなおうとすれば250基、原子力発電1基相当なら500基の風力発電を建てなければいけない。
どれだけの本数の風力発電を建てなければ、これまでの火力や原子力の代替となるエネルギーとして価値が出ないのか、本気で考えねばいけない時期に我々は来ている。
また、面積で比較した例だが、浜岡原子力発電所の最大出力を敷地面積で割ると、1kW当たり0.32平方メートルなのに対して、風力発電では1.25平方メートルとなる。
面積については、多いか少ないかという以前に、その面積が分散しているのか、まとまっているのかという議論はあると思うが、単純な比較としてならば、風力発電は原子力発電と比較して、約4倍も土地に対して負荷をかける、と言うこともできる。
今回は、本市で2例目となる風力発電の案件だが、どこに建てれば環境影響が少ないのか、という点が議論の一番中心になると考えている。
風力発電が、今後アイドルから脱皮してその実力を発揮できるよう、委員の皆様にはこの場での十分な議論をお願いしたい。
事務局(岡田専門監) ここで、委員の変更について報告する。
平成20年1月1日付けで、浜松商工会議所の古田 道生(ふるた みちお)様から、初澤 明博(はつざわ あきひろ)様へ委員の変更があった。
初澤様については、1月18日に開催された第3回浜松市環境審議会で、委員からのご承認をいただいた上で、会長から本部会の委員として指名されたことを申し添える。
それでは、ここで初澤委員からご挨拶をいただく。
(初澤委員) ご紹介いただいた、初澤 明博と申します。
株式会社ハマネツという企業で、環境分野の特に水に関わる部分を業務としており、皆様方には大変お世話になっている。
水に関わる分野については、それなりの知見を持ち合わせているつもりだが、環境という大きなくくりの中では未熟であり、これから猛勉強をして皆様方に追いつきたい。
よろしくお願いする。
≪資料確認≫
≪会議の成立≫
10名中10名が出席し、過半数に達しており、浜松市環境審議会規程第6条第2項により部会が成立。
傍聴者が3名いることを報告。(※会議途中で、傍聴者が1名追加で入室)
事務局(岡田専門監) それでは、これより議事に入る。
議事進行は、浜松市環境審議会規程第6条1項に基づき、部会長にお願いする。
3 議事
(1) 竜頭山風力発電所設置事業環境影響評価報告書(案)の説明について
(部会長) それでは、次第に従って会議を進めていくので、ご協力のほど宜しくお願いする。
まず、「(1)竜頭山風力発電所設置事業環境影響評価報告書(案)について」と「(2)事前質問・意見書に対する回答について」だが、互いに関連があるので、事業者から一括で説明する。
≪事業者入場、準備≫
≪事業者説明、竜頭山風力発電所設置事業環境影響評価報告書(案)について≫
(委員) 「移植」という記述が見られるが、経験上なかなかうまく活着しない。
時間的な余裕はあるので、移植予定地に少数の株を移植し、確認した方がよい。
次に、電力会社への売電については、同じ単価で売電契約を結ぶと聞いているが、原油高の昨今、売電単価は高くしないとコストを回収できないと思う。
国としても、新エネルギーが普及しないネックは売電のところにあるという認識を持っており、世界的に見れば、売電単価を国家が担保している例が多い。
これは、本来事業者の方に言うことではないかもしれないが、事業者から電力会社、行政に働きかけていかないと、新エネルギーは普及していかないと思う。
また、去年、NEDOの担当者を呼んでセミナーを開催したが、NEDOでも風力発電の必要性を理解しているとの認識だった。
セミナーでは、世界的に、風力発電のエリアは内陸から海岸へ移そうとの流れにあり、日本でもその方向で、NEDOが風況の適地を掌握しているようである。
今回の風力発電所の計画は、内陸に建設されるということで、その点で環境影響はあると思うが、前回の引佐の事例より奥地であり、景観等についてははるかに低い影響と理解している。
また、風車の安全性について、長周期振動を考慮に入れたかを教えていただきたい。
さらに、景観について、風力発電機のタワーの色は「空に溶け込む白」としているが、写真を見ると、必ずしも下から空を見上げるところばかりではなく、横から見るところもあり、白だと目立ってしまうことも考えられる。
両方の視点から調和することは出来ないと思うが、配慮は必要ではないか。
これは意見である。
(事業者) 移植については、これまでの実態としては事前に移植の試験はやっていない。この地域で必要であるとなれば、専門家と相談して行っていきたい。
売電単価については、地域性もあり、電力会社によってちがう。しかし、風車の金額が上がっていることや、ユーロ高などの情報を電力会社に流していることもあり、年々単価の見直しはされている。ずっと同じ単価ということはない。
次に、NEDOが海洋での風力発電を推進していくことは聞いており、現在事業者を募り調査をしていく、という情報は得ている。しかし、どういう事業者が具体的に参加するのかは現時点では分からない。
振動については、別途回答させていただきたい。
風車の色についてだが、視点場によって印象が変わってしまい、例えば背景が山であれば白色は目立ち、困ってしまうところである。
我々としては、竜頭山については見上げる景観が優れており、空のバックに溶け込む白色が最適だと考えている。
他のウィンドファームでも、鳥対策として風車のブレードの先端に色を塗った事例はあるが、タワーそのものを茶色などにした例はない。
(委員) 工事に伴って出る大量の土砂(残土)は、現場内で処理することとなっているが、防災上の観点から、具体的な処理方法について教えてもらいたい。
また、裸地の緑化が記述されているが、どのような手法でやるかを教えてほしい。
(事業者) 今後、林地開発の申請を出すので、その際に行政から指示があると考えている。
一般的には、法面に種子を吹きつけて流れ出ないようにしたり、法の裾部分に土砂流出の防備柵をつくるなどの方法があるが、具体的な方法はまだ確定していない。
また、緑化についても、一般的には種子の吹き付けをしたり、樹木を植栽したりするなどの方法があるが、正式には決まっていない。
(委員) これだけ大規模な工事であり、設置場所も決まっているにも関わらず、残土の処置案がないことに驚いている。
残土の処置の設計もなしで、事業を進めているのか。
(事業者) 残土の処置をやらないということではない。
具体的な地点ごとの方法は未定だが、許認可の段階で県の基準などがあると思うので、それに従った形で方法を今後決めていきたい。
(委員) それでは、要望として申し上げる。
2,000kWの風車の建設計画を立てるのであれば、風車がどのような構造で、それを建設するに際し、どれだけの土やコンクリートが必要かということは、設計の初期段階で考えておかなくてはいけないし、残土の処置案がないというのはやはりおかしい。
早急に検討し、明らかにしてほしい。
あわせて質問だが、工事中に環境に与える影響は大きいと考えられるが、完成後の内容と比較して、工事中における環境影響の説明が比較的少ないと感じる。
一例として、これだけ巨大な風車を建設するのであれば、スーパー林道が整備されているとはいえ、山の頂上までにはトラックが入れないS字型の道路もあるだろうし、取り付け道路が必要になってくると思う。
取り付け道路については、風力発電所の立地条件にも関わってくることであり、設計の初期段階で計画が必要だと思われるが、今回の事業で取り付け道路の改修があるのかないのかを教えてほしい。
(事業者) 工事用車両の輸送ルートとしては、スーパー林道と春野町の林道を想定している。
カーブが多いところを通るため、カーブ部分の拡幅を考えている。
また、風車の取り付け位置までの管理用道路も必要になってくることから、その部分についても工事の設計をしている。
(委員) それらの道路をつくることによる環境影響評価が必要だと考えるがどうか。
(事業者) 環境への影響についての評価ということだが、半永久的な改変面積として0.25haと記述しており、これには工事に関するものも含めて考えている。
環境影響評価の内容は、工事中と設備設置後のものは同様であろうかと考えている。
(委員) 工事中と完成後の環境影響評価は、表裏一体のものである。
拡幅する道路の下に絶滅危惧種が生息している可能性もあり、そのような調査結果の追加や、生息が確認されたのであれば、その種をどのように処理するかという記述がやはり必要になってくる。
改変面積に道路の拡幅部分を加えて、工事を行う前の評価についての記載を追加してほしい。
これは要望として申し上げる。
(委員) 地域の説明会の発言にもあるが、沢の水を飲料水にしているところがあり、工事を行うことで沢へ泥水が入ることを憂慮している。
風車1基の改変面積は0.25haだが、取り付け道路の面積は8.4haあり、これは5m幅で全長16kmの道路が新たに作られるということである。ぜひとも取り付け道路を舗装し、水が濁らないよう要望する。
また、スーパー林道は、関連する市町村が舗装を進め、平成10年に完全舗装ができたばかりである。
本事業に伴う土捨て場が全部で4.5ha必要だが、先ほど委員から質問したように、種子の吹きつけなどを行うことで、法面からの土壌の流出や、濁水の沢への侵入を防止するなど、工事後の環境影響についても内容を綿密にしてほしい。
(委員) 昆虫と植物は一体のものである。植物の移植は、それぞれの種ごとに適した時期があると思うので考慮してほしい。
今回の資料で「コキマダラセセリ」が出てくるが、この前の配布資料では他の種が載っていて、コキマダラセセリは記述されていなかった。
絶滅危惧種については、種を調べるのと同時に、ここではどういう種類がなくなってはいけないかということをランク付けしてもらいたい。
(委員) 秋葉古道について言及しているが、当地では秋葉信仰以前から山岳信仰があった。
現在、それらの山岳信仰の施設がどこにあったかは分かっていないが、もし工事中に発見されたら非常に貴重な史跡である。
工事の際には十分注意してもらい、例えば山岳信仰に関する石仏や社跡が発見された場合は、それらも含めて保存のための対策を講じてもらいたい。
保存にあたっては、史跡を他の場所へ移動させる方法がよくとられるが、できるかぎり発見された現場で保存してもらいたい。
(委員) 先ほどお話があった工事用道路についてだが、どのような工事となるのかを示した標準横断図と、一番改修面積が大きくなりそうな地点での環境への対応を示していただければ分かると思うので、そのような資料をつけてほしい。
また、「空に合いやすい」という曖昧な根拠で、風車=白というイメージがあるが、これだけ大きな事業なのだから、検討委員会などの場を設けて、もう少し科学的な根拠を示したほうがよいと思う。
さらに、景観のシミュレーションは、もっと色々な視点から捉えるべきだと思う。
前回の事業者にも言ったが、CGを利用した、仮想空間で動かして見られるツールがあるので、今後行われる景観審議会では、ぜひそのような効果的なものを使って説明をしていただきたい。正直なところ、フォトモンタージュはかなり加工して作れてしまう。
もう一点、景観について、現在の計画では岳線沿いにタワーが建つようになっている。スーパー林道を観光資源として活用していく場合、マイナスの要素になってくることが考えられるので、それをできるだけ避けるために、スーパー林道沿いからの景観シミュレーションがあってもいい。
次に、輸送ルートについて、計画では旧天竜市内を通ることを想定しているが、ご存知のとおり、現在でもかなり渋滞が見られる地域である。
工事に伴い、これだけのミキサーや工事用車両が通れば、さらに問題が発生することが予想されるので、交通に関するシミュレーションを実施したほうがよい。
2月3日の朝日新聞の記事だが、東伊豆町では当初、音の影響はないという環境影響評価が出ていたが、実際に建設してみたら、風車の風下で音の影響があったとして、住民の反対運動が起こっている。
問題となっている騒音が、本当に風車の影響によるものなのかは分からないが、このような反対運動が起こらないよう、きちんとしたシミュレーションを行い、結果を事前に示してもらいたい。
(委員) 私は、かなり最初の段階から、出来上がった定常状態と出来上がるまでの遷移状態とで、環境影響評価の記述を分けてほしい、と要望していた。
これは、工事中の環境影響が大きいためだが、今回の環境影響評価書(案)を見ると、第9節「その他の事項」に、交通、騒音、振動などについてわずかに書かれているのみである。
森林生態系に道路が出来上がるということは、拡幅した分だけ木がなくなる、ということ以上に森林生態系に大きな影響を及ぼす。
それについての環境影響評価が、今回の環境影響評価書(案)では全くなされていないので、第9節は大幅に補強してもらいたい。
(事業者) 昆虫については、ご指摘の内容を精査した上で、環境影響評価書の中身を組みかえていきたい。
秋葉古道については、古道の保存について研究されている方と現在調整しており、近いうちに現地を確認した上で、工事場所が古道にかかる部分についてどうしていくかを検討していく予定である。
取り付け道路の標準断面図のようなものをつけてはどうか、という指摘については、当方で設計している図面があるので、それを付けることで対応する。
風力発電施設の色の検討だが、それには視点場が一番関わってくると思う。
当社では、国定公園の中に送電線を通す際、県アセス条例に基づいてアセスを実施し、花崗岩地帯であったことから、山の背景のベージュに合わせて色を決めた事例がある。
しかし、風力についてはどこの事業所でも実績がないため、今後、どういう方法がいいのか考えていきたい。
各風車から変電所までの送電線については、岳線上に配置するようにしている。こういった場合、他県の事例では電柱に色を塗るなどの方法を採っているが、具体的にどうしていくか検討していきたい。
工事用道路については、大型の風力発電施設(風車や発電機)を運ぶ際は、トレーラーを用いて夜間に輸送したい、と考えている。
また、現時点では、どこの事業者から生コンクリートを調達するかを決めていないため、コンクリートミキサー車などのルートは明確にできない。
生コンクリートの調達先が決まった段階で、もし交通に問題があるようであれば、シミュレーションなどの方法も加えて対策を立てていくことになる。
東伊豆町で騒音の問題が起こっていることは、当社としても承知している。
しかし、当社の建設予定地と東伊豆町のそれでは、人家との距離の状況が違っている。
今後、東伊豆町の事例の詳細を掴んだ上で、会社内で計画の比較検討をしたい。
工事中と完成後で環境影響評価の記述を分ける件については、当初はそういう形になっていなかったものを、市の指摘を受ける中で今回の形にしたという経緯がある。
ご指摘があった森林生態系への影響については、そこまで踏み込んで考えていなかったので、今後、アセス項目に追加して記述したい。
(部会長) 事業者としては、事業を遂行する上で影響評価書に表記しにくい内容の指摘もあったと思うが、環境影響評価書(案)の記述の変更が必要な指摘が多数挙げられたので、ここでそれらを一旦まとめる。
植物の移植については、事前に試験移植という方法があるので、場所や規模について、現時点で分かっている部分は明確にしたほうがよい。
長周期振動の解析については、分かる範囲で環境影響評価を行い、環境影響評価書(案)に記述するべきである。
残土の処理については、工事用道路の場所も決まっているので、現時点でも追加で記述できる内容があると思う。
どのような擁壁を設置するか、どういう形で埋め立てるかなど、処理方法をできるだけ細かく書いてほしい。
緑化についても、吹きつける種の選択や植栽について、ある程度計画が出せると思うので、どのような方法で行っていくかを書いていくべきである。
工事中の環境影響評価の記述については、委員からも意見が多く出されたが、私も雑という印象を受けた。
工事中と完成後では、環境に影響を与える時間の違いはあるが、これだけの大規模な事業であれば、工事中の環境影響の大きさは無視できない。
現時点での工事中の環境影響評価の記述についての文量は、完成後のそれと比べてあまりに少なく、バランスに欠けているので、同程度の内容となるようきちんと深めて書くべきである。
ここから、私個人の意見を述べさせていただく。
クマタカの出現が、今回の環境影響評価の重要な話題になると思う。
クマタカの飛行高度のデータが資料集にあるが、これが評価書に活かされていない。
貴重種の生息場所などを特定されては困るため、資料集自体を非公開とすることは問題ないが、クマタカの飛行高度のデータは非公開にする必要はない。
風車と接触する高度で飛んでいる個体がどれだけ出現しているかを、環境影響評価書に抜き出して書くか、トレースの図で色分けするかして記載してほしい。
同じくクマタカについて、事後調査の必要性が記述されているが、調査方法については記述が一切ない。
仮に風車とのバードストライクが発生した場合、クマタカは大きな鳥だが、二週間もすれば死体の痕跡すらなくなってしまうはずであり、現地に人を置くとか、週に1回は担当者が入るとか、風車稼動後もどれだけのペースで現地調査をするかを書いておくべきである。
最後に、事前質問書に要望として意見があるアカイシサンショウウオだが、産卵場所が土砂で埋まってしまうと、そこは二度と使わないとも言われている。
渓流の濁水対策は工事中のアセスメントとも関わっており、きちんと記述してほしい。
(委員) 風車の必要性については、十分理解している。
しかし、今回の計画以外にも、市の南部に10数基が建設される予定であり、市全域では50基近くが設置されるなど、一極集中している。
風車41基を竜頭山に設置する必要性があるのか、また、集中して風車を設置することで必ず何らかの障害が出ると思うが、風車を無理なく並べることができるのか。
風車を建設する規模については、適正値があると思うので、見解を聞かせていただきたい。
(事業者) 場所が集中しているという問題だが、電力会社の対応と関係がある。
東京電力、中部電力、関西電力は、風力の募集を随意契約でいつでも受け付けてくれるが、それ以外の電力会社では、抽選であったり、入札であったりと制約がある。
どうしても随意契約で募集してくれる地区の方が、事業者としては参加しやすい。
風車を41基建てることの障害、これは風車同士が影響しあう弊害ということでよろしいか。
風車が近いと実際に影響しあうため、当社でも風況を考慮して風車の配置を設計しており、結論として「41基は建てられる」という考えである。
(委員) 技術的な点からいえば、この計画以上に密集して建設した事例が、ヨーロッパには多数ある。私の質問は、浜松市のこの地帯に風車を41基も建てることの適否である。
聞くところによると、今回の計画が環境審議会の議題に上がってくる時期が遅れたのは、環境保全団体との折衝があるため、とも伺っている。
環境保全団体も、この地帯への風車の集中建設を懸念したのではないか。
差し支えなければ、環境保全団体との折衝の有無、また、もしあったのなら、どのように対応したのかを教えてほしい。
(事業者) 平成19年2月、環境アセスを実施する前に、この地区の主だった団体10団体に集まっていただき、意見交換をした。
その席で様々な心配事は出たが、環境影響評価書(案)が完成した時点で再度お話をする、という予定である。
(委員) 最近、建設予定地の土地附近を取得したNPO法人がある。
そのNPO法人は、「本来の自然を守りたい」という意識が強い団体であるが、そことの折り合いはうまくいったのか。
(事業者) 該当のNPO法人には、先ほどお話した平成19年2月の意見交換会の開催について調整をしていただいた。
その後も、代表の方に会い、環境影響評価がまとまった時点で第2回の意見交換会を行う旨の約束をしている。
その際には、また他団体とのとりまとめをお願いしようと考えている。
(委員) 先ほどの説明だと、環境影響評価が出来上がった段階で話し合いがもたれる、とのことだが、環境団体との調整によっては環境影響評価そのものに影響が出る場合もある。
本来、そのような意見調整は環境影響評価の期間中にあってしかるべきであり、後回しにしてよいものではない。
(事業者) 環境影響評価がまとまった時点とは、行程の全てが完了した時点というわけではない。環境影響に関するデータが揃い、当社なりの評価が出来上がった時点で調整する、ということで環境団体とは話をしている。
また、環境団体との調整はガイドラインに基づく行為であると当社では認識しているが、ガイドラインに時期は規定されていない。
当社としては、環境団体との調整は、具体的な評価結果がまとまった時点が話しやすいと考えている。
(委員) この事業は、17年間の売電契約を結ぶ有期の事業とあるが、17年経った後に施設は現状復帰をするのか、それとも何らかの方法で有効活用するのか。
また、事業年度中に万が一何らかの情勢の変化があった場合、風力発電施設はどうなってしまうのか。
それと、発電には火力や水力など色々あるが、風力発電の単価は、事業としてどの程度優位性があるのか。そこが見えてこない。
具体的な絶対値は示せないかもしれないが、指数などを用いて説明してほしい。
(事業者) 発電単価について、正確な数値は申し上げられないが、一番安いのが原子力、第二に水力、風力はその次くらいに位置している。なお、火力は一番発電単価が高い。
事業を途中断念する心配はないかとのことだが、当社は発電事業が主たる事業であり、17年間事業を継続させていただきたいと考えている。
私どもが申し上げるのもなんだが、当社は体力的なものは備えた会社であり、よほどのことがない限り、事業の途中断念は考えられない。
事業の跡地については、借地であるため、事業が終わった時点で地権者と相談し、返還の方法を協議していく。
なお、発電の優位性について、風力は単価的には安いが、風が吹く場合と吹かない場合とで出力に差があり、電力として扱いづらいという問題があることは間違いない。
(委員) 水力発電が単価的に安いとのことだが、LCA(Life Cycle Assessment)の視点で考えると、巨大なダムを作る水力発電はむしろ高い、という評価になるはずである。
また、風力発電についても、LCAで考えると1kWhあたり15円以上と高く、事業費の1/3を補助金でもらっているから成り立つのであり、「発電単価が安い」という発言には違和感がある。
発電単価については、やはりLCAで考えるべきと思うがいかがか。
(事業者) 先ほど説明した発電コストは、建設費用から計算したものであり、私どもではご指摘があったLCAでの評価はしていない。
(委員) 企業としての電源開発の安定性について口を差し挟むわけではないが、このプロジェクトについて、例えば、中部電力との契約単価がいくら、41基の風車の稼動率がどの程度、維持管理費用がこれくらい、といったプロジェクトが成り立つ前提を示した資料をいただきたい。
第二に、今後プロジェクトがランしていく際の管理運営体制について、資料では別会社を作るとのことだが、なぜ電源開発本体ではないのか。
また、管理する人や技術の人などは、本社からの出向なのか、プロパーとするのか。
さらに、工事期間中や完成後の環境影響への対策の実効性を確保するために、対応は東京でコントロールするのか、現地にチームを置くのか、あるいは専門職を置くのか。
まだ、先の話で決まっていない部分もあると思うが、貴社の考え方を教えてほしい。
(事業者) 事業の採算性については、会社としての算定方法があり、それに沿って採算ベースに乗るか乗らないかを判断しているわけだが、開示はご勘弁いただきたい。
また、管理運営のための別会社は、電源開発の子会社として設置する。
これは、風力発電の地元へのメリットが、他の発電設備と違って現状では固定資産税程度しかないため、地元に事業所を置くことで、県税にはなるが事業所税を納付し、地元へのメリットを生むためである。
現地の事業所で働く人員については、当社の関連会社へ設備の保守を委託する。
運転中の環境対応については、一義的には現地の窓口である事業会社で話を受け、最終的な方針の検討などは、東京の電源開発本社で行うことになる。
(委員) 風車が大型化し回転数が少なくなったため、鳥は衝突しないという記述があるが、この論理は正しいのか。
回転数が低くなっても、周速度はほぼ同じであり、鳥にとっては思いもよらないところからブレードが降ってきて、むしろ危険ともいえる。
また、バードストライクがあるかないかの具体的な観察は、現地の管理会社が行う、と考えてよろしいか。
さらに、前回の案件の地域は渡り鳥のルートとなっていたが、当地はそこからそれほど離れていない。
渡り鳥がそこを通るのは限られた期間であり、もしもたまたまその期間に観察をしていなかったとすれば、後々大変なことになる。
当地が渡り鳥のルートになっていない事は、我々も検証しないといけないが、事業者でそのように判断した根拠を教えてほしい。
(事業者) 回転数については、風車が小さく、また、支持物の構造が現在のようなタワー状ではなく格子状であったために、バードストライクが頻発したという米国の事例がある。
環境省でもバードストライクについて研究をしており、今後そういった知見を基にしてより正確な評価ができると考えている。
渡り鳥のルートについて、当地では、猛禽類のサシバの渡りが顕著に見られ、そのルートは、野鳥の会やタカ渡り全国ネットワークの資料である程度分かっており、評価書の3-35に記載している。
文献によれば、静岡県では、渡りのルートは平野部と山地の間を東西に横断するようになっていて、当該地域については渡りのルートにはなっていない。
また、日本海から抜けてくるルートもあるが、そのルートは当地のさらに西側を通ると言われている。
渡りの調査については、6月下旬と10月上旬にそれぞれ1ヶ月ずつ実施した。
猛禽類の飛翔図は、資料集の付図25でハチクマを、付図66でサシバを載せている。
このうち、青色の矢印とオレンジ色の矢印が渡りの時期の出現を示しており、渡りの時期に渡り鳥が見られなかったということではなく、渡りと思われるものは数例確認されている。
しかし、他の主要な渡りのルートでは、渡りの時期には2桁†4桁の個体が確認されており、それと比較すると当地は少なく、主要な渡りのルートではないと考えている。
(委員) 3-35のルート図については、承知している。
先の事業者は、最も渡りが頻繁な時期にバードストライクが発生した場合、風車の運転を止めるとまで言っていた。
今回の調査では、当地は渡り鳥の渡りのルートではないと評価が出たが、その根拠を明確にしてほしい。
また、渡り鳥の飛行ルートは変わりうるので、運転開始後も気をつけてもらいたい。
(部会長) まだまだ意見や質問はあると思うが、このあたりで質疑は終了としたい。
意見や質問については、今回の会議で挙げたもの、挙げられなかったものともに、文書にしてFAXなりメールなりで市へ送ってほしい。
意見や質問を市で取りまとめた上で、事業者へ送付し、次回の会合に向けて回答を返してもらうようにする。
今後の段取りについては、前回と同様そのようにしていきたいのでお願いする。
それでは、ここで事業者に退席してもらう。
≪事業者退場≫
(3) 竜頭山風力発電所設置事業環境影響評価報告書(案)の審議について
(部会長) 残り時間も少ないので、この場でどうしても会議にかけておくべき意見等がなければ、事務局へ進行をお返ししたい。
何かあるか。
(委員) 委員からも発言があったが、浜松市には、今回の電源開発の案件以外にも、ふそう風力の10基のように別の風力発電計画がある。
浜松地域全体でトータルに議論を深めなければならないので、そのような資料の作成を市へお願いしたい。
(部会長) 市からは以前、環境影響評価のための別の委員会を設け、場所の特定や条例化をしていくという話が出ていたので、できるだけ早く条例化の話を動かしてもらいたい。
(部会長) それでは他に意見もないようなので、進行を事務局へお返しする。
(4) その他
事務局(岡田専門監) 前回の案件である、ふそう風力の工事の進捗状況について報告する。
事業者の説明では、「2月末から3月初めにかけて樹木を伐採し、工事を開始する」とのことである。
また、それに先立ち、動物等についての追加調査を実施したため、事務局へ結果が提出される予定。この結果については、提出され次第、委員の皆様へもお伝えする。
(委員) 以前の案件の際に浜松市へ出された意見書に対して、市の考えはまとまったか。
(島田環境部次長) 市としての考えは、まだ決まっていないが、庁内の関係各課と話し合いを持っている。
(委員) 風力発電については、国でも最近シフトしてきており、自治体がどのように考えているかということを重視している。
浜松市が今後どうしていきたいのか、内部で検討してほしい。
(委員) エネルギーと環境の問題は、元来一体のものであると思う。
浜松市では、この問題に全国に先駆けて取り組んでもらいたい。
(委員) 市には、昆虫の絶滅危惧種について把握し、市として守りたい種のランク付けについて検討をしてもらいたい。
(委員) 種のランク付けについては、植物についても同様に取り組んでほしい。 |